小説の感想・レビューです。ネタバレあり。物凄く更新遅いです。ご了承ください。訪問ありがとうございます。
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文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)
(2001/09/06)
京極 夏彦

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前書き
拙僧は鼠である。
人であるが、鼠である。

未だ、牛を知らず。
鼠であるのは、牛となった者を存じている為よ。
その方、見事に牛となられ、仏とした。

何と浅ましいことよ。
未だ、修行ならず。

仏は、拙僧を檻の中の鼠という。
仏は、牛を逃がすため、檻を造ったのだという。
牛得ると謂わば、片腹痛しと覚ゆ。

何と我が身の至らぬことよ。

まさに我は鼠である。

ジャンル・タグ 
ホラーチックな推理ミステリ・昭和初期・重量感(大)・時代に取り残された温泉地・山中の坊主達の奇妙な生活・記録が全くない寺院・十年以上成長しない少女・檻の中の異世界

評価  
素敵 

百鬼夜行シリーズ(京極堂シリーズ)の第4弾。ちょいホラーチックのミステリです。個人的には怖くはありません。ミステリ重視。物語の続きとして見てきましたが、この小説から読んでも、支障はありません。登場人物の様々な思いと、行動が複雑な形で入り乱れ、全く関係なさそうなことが伏線となっていたりと奥深いです。興味があればどうぞ。前作(冬)の続きで、設定では時期は冬頃のようです。いつもどおり、お馴染みのキャラクターが出てきます。新しいキャラも出てきます。寄り道も多い長い内容なのでご用心。

感想ネタバレ↓
[京極夏彦 鉄鼠の檻(百鬼夜行シリーズ④)]の続きを読む
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文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)
(2000/09/05)
京極 夏彦

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前書き
ざわざわ、ざわざわ、騒騒、騒騒
波の音。潮騒の記憶。

私は生まれも育ちも山の中の村でございます。
私の郷里は信州でございます。もちろん海などございません。
生家は農家で、とても貧しゅうございました。
十三のときに近在の造り酒屋に奉公に出向きました。
当然、海などみたこともないのでございます。
生来、海とは無縁なのでございます。

なのに、なのに
また、海鳴りだ。
海鳴りが鬱陶しい。
海鳴りが嫌いだ。
そもそも海など見たこともないのだから、嫌いというのはおかしいものである。
ああ、この忌ま忌ましい海鳴りで目が醒める。
寝ても起きてもひっきりなしに聞こえ続けるあの音はどうにかならぬものだろうか。
私は海で一人で遊んでいる。浜に波が打ち寄せる風景がありありと。
ざわわ、ざ、ざざ。騒騒。
また海の夢なのである。夢かうつつなのか。
“私の記憶”の中に“私ではない記憶”があるのはなにごとか。
夜が来る度、私は深海に身を投じるような不安に苛まれる。

どこまでも、いつまでも沈み続ける。
そのうち水は体にまとわりつき、ふやけてきた肉片は剥がれ、骨が見える。
私はすっかり骨だけとなる。
恐怖で大声を出しても、骨はカタカタ音を鳴らすだけである。
はたから見たら、海に沈む私の骨はなんとも不気味である。


ジャンル・タグ 
ホラーチックな推理ミステリ・昭和初期・重量感(大)・首無し死体・海に浮かぶ黄金の髑髏・キリスト教と精神心理学と仏教と神道・精神分析学者フロイトの顔・狂信者たちの瘴気・劇的な回心

評価  
素敵 

百鬼夜行シリーズ(京極堂シリーズ)の第3弾。ホラーチックではありますが正直怖くないです。シリーズが進むごとに怖さはなくなっている気はします。とはいえ、私がこのシリーズを読み続けているのはこの怖さを求めるわけではなく、もったいつける謎の正体にワクワクさせられるからです。そう、ミステリとして最高なのです。言い換えれば、ホラーが苦手な人でも全然抵抗なく読めます。相変わらず、長ったらしく読みにくいですが面白かったです。ただ、寄り道の多い本なので、読む方は飽きずに読み切ってほしいですね。今回は宗教、心理学の内容の濃い内容でした。前作(秋)の続きで、設定では時期は冬頃のようです。いつもどおり、お馴染みのキャラクターが出てきます。新しいキャラも出てきます。

感想ネタバレ↓
[京極夏彦 狂骨の夢(百鬼夜行シリーズ③)]の続きを読む
文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)
(1999/09/14)
京極 夏彦

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前書き
匣、箱、筥、はこ。

「箱」とは物を詰めるために存在する。
「箱」の中に何も入っていなければ存在価値などない。
「箱」の空間は物を満たすためにある。
「箱」に物を詰めて容器として使い始めて、初めて「箱」の機能が発揮される。

つまり、「箱」の中身が重要だ。

かといって、誰もが、「箱」の外見ばかりが気になる。
「箱」自体ばかりに目がいく。いくら「箱」にお菓子を詰めていようが、宝石を詰めていようが人は、「箱」の外見で「箱」の性質、機能を決めてつけ、「箱」のフタを開けようともしない。そこには、お菓子でも、宝石でもなく、ただの空の「箱」だったとしても。皆がいう「箱」の中身が大事とは嘘ばかりではある。

つまり、「箱」は「箱」の外側、「箱」自身に存在価値があったのだ。

魍魎の「箱」、つかみどころのない得体の知れない「箱」
この「箱」は中身を見るべきか、それとも外側を見るべきか、どこに目を向けるべきか検討がつかない。
悩ましい問題だ。


ジャンル・タグ 
ホラーチックな推理ミステリ・昭和初期・重量感(大)・バラバラにして箱に詰める・魍魎がもたらす衝動・霊能者御筥様・空箱の木場・箱箱箱箱箱が箱が、隅から隅までみっしりと。

評価  
素敵 

百鬼夜行シリーズ(京極堂シリーズ)の第2弾。ホラーチックです。ずっしり分量に重みのあるサイコロ本です。読み終わった時に「読んだなぁー」と読破する達成感を得られました。前作(夏)の続きで、設定では時期は秋頃のようです。いつもどおり、お馴染みのキャラクターが出てきます。

感想ネタバレ↓
[京極夏彦 魍魎の匣(百鬼夜行シリーズ②)]の続きを読む
文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)
(1998/09)
京極 夏彦

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前書き
「この世には不思議なことなんて何もない」

たぶん、そうなんだろうと思う。ふたをあけてみればなんて事はない、ごくあたり前の事柄なのだ。
よくよく考えれば、不思議でもなんでもない。
そんなことを誰も彼もが「不思議だ、祟りだ、呪いだ」という。

私だってそんなこと、これっぽっちも不思議だなんて思ってもいない。
じゃあ、なんで私はこんなに寒気がするんだろう。こんなにも分かりきった事なのに。

皆が、不思議だ、不思議だと言ううちにどんどん不思議な気持ちがしてきたんだ。
ああ、この雑誌にも怪奇だの、呪いだの、神懸りだの、書かれている。
うーん、やっぱり、私等には到底、測りきれない不思議なことであるのかもしれない。

「ああ、もうー、不思議でも何でもないはずなのにぃ!!」
と私はすでに不思議な気持ちを受け入れていた。


ジャンル・タグ 
ホラーチックな推理ミステリ・昭和初期・重量感(大)・産科医院の空寒い宿命・自己欺瞞・一途な恋文が作り出す擦れ違い・はかない母の子どもへの思い

百鬼夜行シリーズ(京極堂シリーズ)の第1弾。ひさしぶりに読みました。内容をほとんど忘れていたので、新鮮な気持ちで物語を楽しめました。こんな冬の時期に読むべきではないですねw 

文章が硬めです。分量が多いです。はじめて読む人には取っ付きにくいかもしれないです。ホラーチックです。トリックとか推理が巧妙だとか、そういうことではありません。ただ、人間の卑しい思い、愛しい思い、うらやましく思うこと、そういう感情達が巧妙というだけです。汗が出てしまう真夏に読みましょう。この本を読んで涼しくなりましょう。そこにはごく当たり前な普通の非日常が待っています。

不思議なことなんてないです、ここには物語があるだけです。※ちょいグロが含まれています。

評価  
素敵 

感想ネタバレ↓
[京極夏彦 姑獲鳥の夏(百鬼夜行シリーズ①)]の続きを読む
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