小説の感想・レビューです。ネタバレあり。物凄く更新遅いです。ご了承ください。訪問ありがとうございます。
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2012年、今年も二回目の「芥川龍之介賞」と「直木三十五賞」がやって参りました。第147回芥川龍之介賞と直木三十五賞が決定いたしました。選考委員会は、平成24年7月17日(火)午後5時より築地・新喜楽で開催致しました。
<文藝春秋より>



第147回芥川龍之介賞候補作品(平成二十四年度上半期)
戌井昭人「ひっ」(新潮六月号)
鹿島田真希「冥土めぐり」(文藝春号)
鈴木善徳「河童日誌」(文學界五月号)
舞城王太郎「短篇五芒星」(群像三月号)
山下澄人「ギッちょん」(文學界六月号)


第147回芥川龍之介賞の選考委員会が平成24年7月17日(火)午後5時より築地・新喜楽で開催され、


鹿島田真希さんの「冥土めぐり」

冥土めぐり冥土めぐり
(2012/07/07)
鹿島田 真希

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が授賞作に決まりました。






第147回直木三十五賞候補作品(平成二十四度上半期)
朝井リョウ「もういちど生まれる」(幻冬舎)
もういちど生まれるもういちど生まれる
(2011/12/09)
朝井 リョウ

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辻村深月「鍵のない夢を見る」(文藝春秋)

鍵のない夢を見る鍵のない夢を見る
(2012/05/16)
辻村 深月

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貫井徳郎「新月譚」(文藝春秋)

新月譚新月譚
(2012/04)
貫井 徳郎

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原田マハ「楽園のカンヴァス」(新潮社)

楽園のカンヴァス楽園のカンヴァス
(2012/01/20)
原田 マハ

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宮内悠介「盤上の夜」(東京創元社)


盤上の夜 (創元日本SF叢書)盤上の夜 (創元日本SF叢書)
(2012/03/22)
宮内 悠介

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>第146回直木三十五賞の選考委員会が平成24年1月17日(火)午後5時より築地・新喜楽で開催され、

辻村深月さんの「鍵のない夢を見る」
鍵のない夢を見る鍵のない夢を見る
(2012/05/16)
辻村 深月

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が授賞作に決まりました。






時が過ぎるのは早いですね。こないだ、賞が発表されたばかりだと思っていましたが、もう147回目の賞発表です。
今回は、最初から結果発表から記事UPしています。時間がとれないもので、まとめて記事UPさせて頂きました。今回から選考委員に石原さんはいません。選考でもそこが今後影響していきそうですね。芥川賞が変革の時をむかえようとしています。純文学がSF,ライトノベル等を取り込んでいく時代がやってきそうですね。
いい作品が出てくることを望みます。
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1月17日(火)、19時頃、直木賞が発表され、そのすぐ後に芥川賞が発表決定されました。
http://www.bunshun.co.jp/<文芸春秋サイト>


第146回芥川龍之介賞候補作品

石田千「きなりの雲 」(群像十月号)
円城塔「道化師の蝶」(群像七月号)
田中慎弥「共喰い」(すばる十月号)
広小路尚祈「まちなか」(文學界八月号)
吉井磨弥「七月のばか 」(文學界十一月号)

選考委員
石原慎太郎、小川洋子、川上弘美、黒井千次、島田雅彦、高樹のぶ子、宮本輝、村上龍、山田詠美、登壇者/黒井千次

選考過程
最初は評点が過半数いかなかった。
過半数にいかないので、さらに投票をおこなった。
それでも決まらず、ついには〇、×、△という投票の方法を使った。
議論を重ね、結果、4度目で、評点が4.5となり、最終的に過半数になった。
円城さんを強く押したのは川上さんと島田さん。
投票の結果、田中さんは過半数を超えた。しかし、円城さんは半数だった。8票中の4票だった。
円城さんの評価は分かれた。
円城さんに対する反対意見は、『よくわからん、というもの』
他の3作は、いずれもあまり高い評点ではなかった。不満のほうが多かった。


円城塔さんの声
 このたびは栄誉ある賞をいただけて非常に光栄です。たいへん大胆な決断だったのでは。私の小説はだいたいが奇妙な小説と言われていますが、その奇妙な方向でやっていいよと言われたと認識しております。これからも奇妙な小説をもっとやっていけたら。

3回目の候補作について
 早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を11月にいただいたんですが、受賞者が芥川賞か直木賞を取らねばならないという大変怖い賞で、今回無事いただけて大変ありがたい。まだまだ直さなきゃいけないところはあるし、ようやく少し文芸誌に載るもの、小説として自分がやりたいものを高めていたところでいただけたので大変いいタイミングでいただけたなと思いました。


 芥川賞というのは多くの人に読まれる賞なのでそれにはまだ足りないかな、と。ただ小説はいろんな方に読まれるので、(自分の小説のような)こういうのも広めてもいいのではないか、と判断いただけたのかなと思いました。

今後について
 いろいろやっていければと思う。とりあえず次作は同時期にデビューして3年前に亡くなった伊藤計劃(いとう・けいかく)さんの「屍者の帝国」という30枚ほどの小説を完結させるというのを次の仕事としてやらせていただければ。友人だったのかと言われると、あまりにも早い、短い期間でしたのでほかにも付き合いがある方もいらっしゃるのであれなんですが、大変優れた書き手であって、大変僕も影響を受けた作家です。

影響を受けた作家について
 安部公房さん。系譜というとあれ(おこがましい)ですけど、ちょっと外れたと見なされる路線は少なくなっているので、安部さんの路線を行きたい。

 今回、2人でいただけたのはバランスだったのでは。ありがたいのは無論ありがたいですが。1人でいただくより気が楽で、あちらが右を守り、こちらが左を守るなど分担できる。新しいと言われますと、文学の新しさは何かという話になって実験的なものを書かれている方は100年前にもいたし、本当に新しいものを書き続けるのは難しい。バランスを探していかなくては。まだ迷っているところです。





田中慎弥さんの声
アカデミー賞で(大女優の)シャーリー・マクレーンが「私がもらって当然だと思う」と言ったそうですが、だいたいそんな感じ。4回も落っことされて、断っておくのが礼儀。断ったりして気の弱い委員の方が倒れたりしたら、都政が混乱するので。都知事閣下と東京都民各位のために、もらっといてやる。とっとと終わりましょう。
1回目の受賞が一番いい。5回目はまぬけです。
気持ちの変化はありません。私に意欲はありません。
こういう場にいるのが好きな人はいないでしょ。ギャラが出るんでやるだけです。

石原慎太郎都知事について。
おじいちゃん新党を作ろうとしている。新党結成にいそしんでいただければ。


第146回直木三十五賞候補作品(平成二十三年度下半期)

伊東潤「城をませた男」(光文社)
歌野昌午「春から夏、やがて冬」(文藝春秋)
恩田陸「夢違」(角川書店)
桜木紫乃「ラブレス」(新潮社)
葉室麟「 蜩ノ記」(祥伝社)
真山仁「コラプティオ」(文藝春秋)

選考委員
浅田次郎、阿刀田高、伊集院静、北方謙三、桐野夏生、林真理子、宮城谷昌光、宮部みゆき、渡辺淳一、登壇者/浅田次郎

選考過程
選考は、葉室、桜木、伊藤の3作品の争いとなった。
最初は、3作品のうち、葉室さんが頭一つ抜けていた。
桜木さんとの一騎打ちの結果、満票で葉室さんが選出。



葉室麟さんの声
どういうふうに話せばいいか分からないが、ホッとしたのが一番。

候補5回目について
 5回は長いといえば長い。でも注目していただいて仕事をいただける。うれしいが、大きな賞でプレッシャーが大きく、これで候補にならなくて済むというのが今の一番の気持ち。5回は長くもあり短かった。(受賞作の)「蜩(ひぐらし)ノ記」は読者からの反応が違った。思いが伝わっているという感じ。これで受賞できたのはうれしい。

今後について
 地方で歴史物、時代物を書いている。地方にいると歴史の断面が見える。地方は(戦で)負けた人の話が多く、考える機会が多い。これまでの有名な作家が地方在住のままお仕事をされていた理由はそのへんにもあるのかなと。

登場人物のキャラクター、人物への思いについて
 モデルという意味でなくて、これって自分の体験の中にあるという思いがよみがえった。登場人物は尊敬している人を訪ねていく。私の中にもそういう経験があり、それを伝えたいなという思いがあった。


 この作品も残り10年の命という設定。60歳になるとみんなそうだと思うが、残り時間を考える。自分の思いを描く作品として個人的にも感慨がある。

これから小説を書く際にどんなことを物語に込めていきたいか。
 歴史物を書いているが、「蜩ノ記」は時代物。第二次大戦の日本、戦前の日本をどこかで伝えるものとして時代小説を書いていると思う。戦前の日本を私は知らないが親は戦前の人。親子で伝わる物はあるだろうと思うし、そういうものを歴史小説の中で書いていくのでは。

なぜ江戸時代の設定にしたかについて
 日本は戦争に負けて日本が日本であることを許されなかった時期があった。(11年のNHKの連続テレビ小説の)「おひさま」でも、それまでこうだと思ってきたことが否定されている場面があった。否定される前の時代、明治より前、そういう意味での江戸時代を書く意味があるのかな、と思う。

これまでの作品と違った点について
 単純にいうと、書き始めるときに編集者さんから「武士の矜持」「武士の覚悟」を書いてほしいといわれ、すっぴんのストレートでいこうと最初に思った。なぜ思ったのかは分からない。それに努力を傾けていった。途中で難しく、ストレートだけでいいのかいろんな形にした方がいいのかと思ったが、押し通したい自分の気持ちがあった。





第146回芥川龍之介賞の選考委員会が平成24年1月17日(火)午後5時より築地・新喜楽で開催され、

円城 塔さんの「道化師の蝶」

道化師の蝶道化師の蝶
(2012/01/27)
円城 塔

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田中慎弥
さんの「共喰い」
共喰い共喰い
(2012/01/27)
田中 慎弥

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が授賞作に決まりました。




第146回直木三十五賞の選考委員会が平成24年1月17日(火)午後5時より築地・新喜楽で開催され、
葉室麟さんの「蜩ノ記」

葉室麟「蜩ノ記」(祥伝社)葉室麟「蜩ノ記」(祥伝社)
(2011/10/26)
葉室麟

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が授賞作に決まりました。


3人とも、賞を4、5回逃してからの受賞です。その思いが受賞会見でそれぞれ表れています。何度も候補に選ばれるのは、ありがたくもありがた迷惑というものがあるようですね。3にんともおめでとうございます。円城さんの小説が読みたいと思ったんですが、書店では売り切れというか、売り場自体にないようでした。今のところ、ネット買いするしかないみたいです。詳しくは後日UPします。




2012年、今年も最初の「芥川龍之介賞」と「直木三十五賞」がやって参りました。第146回芥川龍之介賞と直木三十五賞の候補作が決定いたしました。選考委員会は、きたる平成24年1月17日(火)午後5時より築地・新喜楽で開催致します。
<文藝春秋より>

第146回芥川龍之介賞候補作品(平成二十三年度下半期)
石田千「きなりの雲 」(群像十月号)
円城塔「道化師の蝶」(群像七月号)
田中慎弥「共喰い」(すばる十月号)
広小路尚祈「まちなか」(文學界八月号)
吉井磨弥「七月のばか 」(文學界十一月号)



第146回直木三十五賞候補作品(平成二十三年度下半期)
伊東潤「城を噛ませた男」(光文社)
城を噛ませた男城を噛ませた男
(2011/10/18)
伊東潤

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歌野昌午「春から夏、やがて冬」(文藝春秋)
春から夏、やがて冬春から夏、やがて冬
(2011/10)
歌野 晶午

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恩田陸「夢違」(角川書店)
夢違夢違
(2011/11/11)
恩田 陸

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桜木紫乃「ラブレス」(新潮社)
ラブレスラブレス
(2011/08)
桜木 紫乃

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葉室麟「蜩ノ記」(祥伝社)
蜩ノ記蜩ノ記
(2011/10/26)
葉室麟

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真山仁「コラプティオ」(文藝春秋)
コラプティオコラプティオ
(2011/07)
真山 仁

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更新が滞りがちで残念ですが、今年も鈍足で小説を読んでいこうと思います。そして、またまた芥川賞、直木賞が発表されます。前回、候補になられた著者の方もちらほらいらっしゃいますね。直木賞には私の好きな著者の恩田陸さんが。とても応援したくなるんですが、恩田さんはベテランの作家さんであり、もっと名が売れていない作家さんに焦点をあてるべきなのではないでしょうか。そのために芥川賞、直木賞の発表を主催してるだと思ったのですが。芥川は新人作家、直木賞は中堅作家を候補にすると聞いたことがありますが、恩田さんは「売れている」し、「知名度」も高いので、少し疑問符です。


7月14日(木)、芥川賞の発表は19時頃に、直木賞の発表は19時半ほどに決定しました。
http://www.bunshun.co.jp/<文芸春秋サイト>

第145回芥川龍之介賞
【受賞】該当者なし

第145回 芥川龍之介賞候補作
石田 千「あめりかむら」(新潮2月号)
戌井昭人「ぴんぞろ」(群像6月号)
円城 塔「これはペンです」(新潮1月号)
水原 涼「甘露」(文學界6月号)
本谷有希子(もとや ゆきこ)「ぬるい毒」(新潮3月号)
山崎ナオコーラ(やまざき ナオコーラ)「ニキの屈辱」(文藝夏号)

選考委員:池澤夏樹、石原慎太郎、小川洋子、川上弘美、黒井千次、島田雅彦、高樹のぶ子、宮本輝、村上龍、山田詠美 /登壇者:山田詠美

選考過程:何度も討論してこういう結果になった。
一番点が低かったのが水原涼さんの『甘露』(6位)である。
どの選考員も点数上げず最初に落ちた。

その次に点数が低かったのが本谷有希子さんの『ぬるい毒』(5位)である。
点数の結果通りであり、議論の余地がないとし、候補から落ちた。

石田千さんの『あめりかむら』(4位)も点数が低かったので点数の結果通りとなり、候補から落ちた。

最後に残ったのが、

戌井昭人さんの『ぴんぞろ』、
円城塔さんの『これはペンです』、
山崎ナオコーラさんの『ニキの屈辱』

いろいろ興味深い意見もたくさん出たが、再投票のときに一番点が低かった山崎ナオコーラさん(3位)が落ち、
最終的に円城塔さんと戌井昭人さんということになった。

3回目の投票で票が分かれて、しかもすごく点が低く、過半数には全然達しなかったということで、受賞作なしという結果になった。

山田詠美「受賞者を出すということで決めていたので、一生懸命いいところを見つけようといろいろ話し合ったんですけど、そういうところにはいたらなくて、3回目の投票では過半数に達しないものは受賞作にならないということで、そこで終わりになりました」



第145回直木三十五賞
【受賞】『下町ロケット』池井戸潤


「下町ロケット」(小学館)/池井戸潤「下町ロケット」(小学館)/池井戸潤
(2010/11/24)
池井戸 潤

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第145回 直木三十五賞候補作
池井戸潤「下町ロケット」(小学館)
島本理生「アンダスタンド・メイビー」(中央公論新社)
高野和明「ジェノサイド」(角川書店)
辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ」(集英社)
葉室 麟「恋しぐれ」(文藝春秋)



<会見会場の池井戸さんの様子>

池井戸さんの声
素直にうれしい。企業小説でも文学として評価されるんだなと思った。少しでも私の小説で夢とか希望とか思い出してまた明日からがんばろうと思って頂けるならこんなうれしいことはない。

文学と思って書いていない。人を書こうと思っている。30人なら30人の人生が輪切りにされているが、そういうのを書いていく。自分の身近なことを小説描いた。暗い話はきらいで、子供のころから自分が読みたくない小説は書かない。読んで面白くてスカッとしてドキドキしてワクワクした小説を読みたかった。そういう小説しか書きたくなかった。下町ロケットもそのうちのひとつ。他の直木賞候補作品ではジェノサイドだけ読みました。とても面白い作品居酒屋でまっていた。私の原動力は面白い小説を書きたいということ。企業で働いたことない人にも食わず嫌いじゃなく読んでもほしい。


選考委員
浅田次郎・阿刀田高・伊集院静・北方謙三・桐野夏生・
林真理子・宮城谷昌光・宮部みゆき・渡辺淳一・登壇者/伊集院静

選考過程:高野さんも辻村さんも非常に評価は高かったが、最初に落ちた。選考の最初の段階で時間を要した。
葉室麟さんの作品が第三の候補として残ったが、論議が非常に活発だった。葉室さんの『恋しぐれ』が過半数が足りなくて落ちた。
割と特に高野さんははじめて俎上にあがったので、ほとんどの選考委員が才能と腕力と、時間をかけて制作なさっていることは非常に評価していました。

最終的に残ったのは、
受賞作の池井戸潤さんの『下町ロケット』と、
島本理生さんの『アンダスタンド・メイビー』
が決選投票になった。

決選投票の結果、池井戸さんは割と圧勝で、島本さんは僅差で敗れた。
投票は2回。2作に絞られて、2作から決選投票したということです。


選考委員の意見

受賞作の池井戸潤さんの『下町ロケット』について

宮部さんもたいへん支持なさっていましたし、林真理子さんは「直木賞の優等生」とおっしゃっていました、わたしはよくわからないですけど。それで、桐野さんは震災以前の昭和の作品だと、いう懸念はされていました。それでも面白さと読み切らせる力は十分かなうんじゃないかとおっしゃっていました。

「空飛ぶタイヤ」、「鉄の骨」、今回の「下町ロケット」と、まず一貫して姿勢を変えていない。まず読み物として非常におもしろい。読後感が非常に爽快であると、今こういう時代で、下町の工場とか救済されるべき人がテーマになったことも非常にいい。

桐野選考委員からは、「震災以前ではないかと」、いま内製で全部製作するのは、それは成立しないんじゃないかという意見がある。それに対抗して、そういう問題がおこるからこそよけい着目される見るべき点があるのではないか。いまからずっと工場が変わっていく。そういうことでもいいのではないかという意見もある。
一部では銀行のことを書きすぎるという意見もあった。

非常に今まで人物描写とか、人間が書けていないという意見が割と多かった阿刀田選考委員も、○をなさったので、まあ文句なし受賞ということになった。


島本理生さんの『アンダスタンド・メイビー』について

伊集院静「わたしもどうも、どうにか島本さんを推したかったので、けさの5時半まで『アンダスタンド・メイビー』を読んで自信をもってきたけど、相変わらず難しいね、人の気持ちを切り崩すのは。」

一部に彼女は群像の新人賞をとって、若すぎるのではないかということもあったんですが、彼女はデビューして12年。それもコンスタントに作品を書いているのでそういうことはない。今回はテーマも非常に良くて同性の中ではうまく受け入れられないのに、異性に関しては非常に理解できる女の子で、しかも安易に割と身体を許してしまうところ、それ故に悩みみたいのがいまの若い読者に受け入れられる、支持されるから支持して欲しいといのが桐野さんとわたしと、浅田さんと北方さんにありました。年寄りのっていうと怒られますけど、ベテランの選考委員と 残る女性2人が反対していました。
僕はなぜ反対するのかわかりませんでしたが、なぜ反対するのか。


辻村深月さんの「オーダーメイド殺人クラブ」について

島本さんの作品のテーマと似ている。宮部みゆき選考委員が非常に推されていた。この作品に関しては、最終的に自死願望と殺人を諦めていくときに、非常に安易というか、対局にあるきちんとした理由が小説として書けていない、という意見があった。ベテランの方からは、ちょっと頭で書いた作品であることや、中学生とか高校生などのリアリティに関してのテーマの作品が辻本さんの作品全体に多すぎるのではないかという意見があった。もう少し成熟した大人を書いて欲しいという意見にある。

吉川英治賞や山本周五郎賞を取った他の作品よりもこの作品が落ちるんじゃないかという評価はあった。


葉室麟さんの『恋しぐれ』について

伊集院静「葉室さんは、わたしは個人的に推したんですけど「孤独の二重丸」になっちゃった。ただ、評価をみな、三角なんですね。バツがなくて。マルがいないのはたぶん決め手がなかったんだろうと思いますね。ただわたしはそういう人の方が、逆にずっと時代小説で伸びていかれると思うんじゃないですけど。」

作品に蕪村の俳句があるが、俳句というのが物語の中の単なる情景描写とか、状況描写に使われている安易さがあるのではないかと意見があった。俳句自体というのは、蕪村の俳句自体はもっときちんと取り上げないと、それはこの小説の中で借り物のように取り上げるのは問題があるんじゃないかというのがあった。そこが大きかった。


高野和明さんの「ジェノサイド」について

やはりあれだけの作品で、全体としては圧倒するものはないが、作品自体は非常に皆さんよいと言う評価で、ただひとつは映画の原作みたいな、子どもがあと10日で死ぬとか7日で死ぬとか、タイムリミットをつくってやっていくやりかたが映画の脚本の原作みたいな、そういうものがハリウッドの映像的なものを物語が中心にしている、そういうことの疑問点は出た。


UPするのが遅くなりました。前回の直木賞・芥川賞が盛り上がった分、今回はなんとなく地味な印象でしたね。池井戸さんも言ってた通り、企業がテーマになる小説でも賞を取れたのはびっくりしました。選考委員のなにか心の心境でしょうか。池井戸さんはとても場慣れしていてプレゼン上手な印象がありましたね。さすが元銀行マンです。
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