小説の感想・レビューです。ネタバレあり。物凄く更新遅いです。ご了承ください。訪問ありがとうございます。
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始祖鳥記 (小学館文庫)始祖鳥記 (小学館文庫)
(2002/11)
飯嶋 和一

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前書き
龍神、それは永遠。

龍神が夢を描く時、私達はその出演者となる。
龍神が目をさませば、一つの夢が終わり、己も跡形もなく消える。

己が生や現実と信じているものは、龍神というものが見ているうたかたの夢ではないのか。たとえ名前が伝説として残ったとしても、身近に感じていた者たちがすべて死に絶えれば、すべては永遠の中に消し去られる。私達が消えた後には静けさが残るだけ。その静けさの正体が龍神、あるいは、永遠と呼ばれるものではないのか。つまり龍神が目を覚ましているのだ。

いつだって夢中だった。
暮らしていくために生業はいつも誠意に向き合ってきた。だが、気付くと凧作りなどという馬鹿げたことに打ち込んだ。それが何を意味するかも判らずに。そして世界を知った。時が経ち、型通りの暮らしへ同化していくとき、急速に何もかもが色褪せて見えた。

ふと気付くと、すぐ後ろに龍神がいた。

笑った。
馬鹿馬鹿しくて、笑った。
彼が目をさます前に、私にはやり残していたことがあった。
確かに、一つあった。


ジャンル・タグ 
ヒューマンな歴史小説・江戸時代中期・重量感(大)・浮田幸吉・鳥人幸吉・法度が作り出す架空の大罪・孤軍の先導者・夢中という病気

評価  
最高  

バイブルとして積読書にしたい一冊。会話文より地の文がやや多いです。正直読みにくいです。ただ、それ以上に内容がいいので。個人的には読むなら夏。

感想ネタバレ↓
[飯嶋和一 始祖鳥記]の続きを読む
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檸檬のころ (幻冬舎文庫)檸檬のころ (幻冬舎文庫)
(2007/02)
豊島 ミホ

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前書き
北高、それは私達の思い出。いろいろなことがあった。
あの頃の私達はいつも変わらない、つまらない日常を過ごしてきたと思っていた。
実際、何一つ特別なことはない、どこにでもあるようなことだ。

だけど、今、こうして地元に帰ってきて、高校生3年間過ごしてきた高校を見上げると、
辺り一面に積もった雪道を好きな同級生といっしょに帰ること、学校で一日中好きな人のことで悩むこと、担任の先生の悪口を言うこと、それぞれが宝物のように思える。

学校の近くに見える金子商店の店主も、東京の大学に行ってしまった友達もその一人だ。北高の思い出をみんな持ってる。きっと、校門でしゃべり合っているあの子達もそう思うときが来る。


北高を思い出にする時が。

ジャンル・タグ 
恋愛・青春(学園)・重量感(小)・淡い恋・ごく当たり前の日常・伝わって欲しいけど伝わらない・密かに繋がっている人々の関係


評価  
普通

北国で田舎にある北高に関わる人達のお話。生徒、先生、OB、近隣の人。彼らが語る7つのショートストーリー。それぞれ7人の主人公が彼らの視点で北高からお届けするストーリー。どこの日常でもあるような日々をそれぞれの思いともに読者にお届けします。連作短編です。※性的表現が含まれています。

感想ネタバレ↓
[豊島ミホ 檸檬のころ]の続きを読む
プリズンホテル〈1〉夏 (集英社文庫)プリズンホテル〈1〉夏 (集英社文庫)
(2001/06)
浅田 次郎

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前書き
「上の者が白いと言やあ、黒カラスも白いのがあっしらの渡世です。支配人をないがしろにすれァ、指の一本や二本とぶのァ当りめえのこって」

番頭は支配人に言いきかせるように呟いた。
 

ジャンル・タグ 
ヒューマンコメディ・昭和・重量感(中)・ヤクザと任侠の狭間・ダサいかっこよさ・かっこよさに隠れた笑い・第一印象に隠れた逆説・笑いと感動の紙一重

どうですか、この本読みたいとあまり思いませんよね。ぱっと見、スルーしたくなります。

例えば、こう思いませんか。

んー。なんだ、この表紙のこの花。なんかすごく微妙。プリズンホテル?いかにも駄作。英語で書けばいいのに。アマゾンで内容をちらっと見たけど、傑作コメディ?あーあ、私そういうの、得意じゃないからw そういうの、冷めちゃうんだよね。しかも結構前に出てるのに、あまり売れてなそう。ないでしょw まぁ、たまたま図書館で見かけたから、一応最初のさわりだけ読んだけど、やっぱりな。何この主人公なんかむかつく。なんかめっちゃ、昭和臭いし。全然つまんないじゃん。

なんてこと、思ってるんですよね。どうぞ、期待しないで見てください。わかりますよ、「外見にだまされている」っていうことが。※官能的な表現が含まれています。

評価  
最高 

感想ネタバレ↓
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時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)
(2007/10)
小川 一水

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前書き
「時間遡行」、今という時間から過去という時間にさかのぼること。

あの時間にもどってやり直したい。。
あの時間に思い出を取り戻したい。。


私達はいつでも「あの日に戻りたい」を思い描く夢想家である。
ここに未来から降り立った戦士達が歴史の1ページをぬりかえる物語。



「俺達が、時代を流れを変えてみせる」



ジャンル・タグ 
SF・ローファンタジー・重量感(小)・タイムスリップ・時間遡行軍VS謎の機械軍・心を持った未来の知性体・乙女な女王

分量の厚さといい、物語の進め方といい、軽快という言葉があてはまる文章です。すごい読みやすいです。その意味と表裏一体で、物足りなさ、もっと物語を濃密にできたんではないかという思いが湧いてきます。タグがローファンタジーなのは、歴史の人物も出てくるからです。それにしても、この物語を読むと、歴史というのは未来の人間が塗り変えてはいけないものであるなと感じました。


評価  
普通

感想ネタバレ↓
[小川一水 時砂の王]の続きを読む
文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)
(1998/09)
京極 夏彦

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前書き
「この世には不思議なことなんて何もない」

たぶん、そうなんだろうと思う。ふたをあけてみればなんて事はない、ごくあたり前の事柄なのだ。
よくよく考えれば、不思議でもなんでもない。
そんなことを誰も彼もが「不思議だ、祟りだ、呪いだ」という。

私だってそんなこと、これっぽっちも不思議だなんて思ってもいない。
じゃあ、なんで私はこんなに寒気がするんだろう。こんなにも分かりきった事なのに。

皆が、不思議だ、不思議だと言ううちにどんどん不思議な気持ちがしてきたんだ。
ああ、この雑誌にも怪奇だの、呪いだの、神懸りだの、書かれている。
うーん、やっぱり、私等には到底、測りきれない不思議なことであるのかもしれない。

「ああ、もうー、不思議でも何でもないはずなのにぃ!!」
と私はすでに不思議な気持ちを受け入れていた。


ジャンル・タグ 
ホラーチックな推理ミステリ・昭和初期・重量感(大)・産科医院の空寒い宿命・自己欺瞞・一途な恋文が作り出す擦れ違い・はかない母の子どもへの思い

百鬼夜行シリーズ(京極堂シリーズ)の第1弾。ひさしぶりに読みました。内容をほとんど忘れていたので、新鮮な気持ちで物語を楽しめました。こんな冬の時期に読むべきではないですねw 

文章が硬めです。分量が多いです。はじめて読む人には取っ付きにくいかもしれないです。ホラーチックです。トリックとか推理が巧妙だとか、そういうことではありません。ただ、人間の卑しい思い、愛しい思い、うらやましく思うこと、そういう感情達が巧妙というだけです。汗が出てしまう真夏に読みましょう。この本を読んで涼しくなりましょう。そこにはごく当たり前な普通の非日常が待っています。

不思議なことなんてないです、ここには物語があるだけです。※ちょいグロが含まれています。

評価  
素敵 

感想ネタバレ↓
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