小説の感想・レビューです。ネタバレあり。物凄く更新遅いです。ご了承ください。訪問ありがとうございます。
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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない  A Lollypop or A Bullet (角川文庫)砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫)
(2009/02/25)
桜庭 一樹

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前書き
子ども頃は実弾主義だって、砂糖菓子の弾丸を誰しもが撃っている。
砂糖菓子はだれもが憧れる。
だってそれは自分が持っていないものだから。
それは自分が欲しいだから。
だけど、生きていくためには実弾が必要だ。
実弾は私たちの生活をいつも貫いてくれる頼れる道具なのだ。
成長していくにつれて、私たちの生活を撃ちぬけない砂糖菓子の弾丸が無意味なものに思えてくる。
だけど、彼女はいつも砂糖菓子の弾丸ばかりを撃っている。
いつも「撃ち抜ける」、「撃ち抜ける」といって、床には砂糖菓子の欠片でいっぱいだ。
だから、彼女の周りには、誰も近づこうとはしなくなった。だれも彼女には期待しなくなった。
彼女はいつになれば、実弾を撃つのだろうか。


ジャンル・タグ 
青春サスペンス・現代・重量感(小)・裕福が貧乏より不幸な場合とは・虐待と軟禁生活が生む愛情と憎悪・安物がブランドものより価値がある場合とは・子どもは親を選べないということ

評価  
最高  

ぞっとして悲しくて切ないすぎる物語。シリアスなストーリーです。元気な時、気分が高揚しているのを鎮める時に読むのが良いです。決して気分が沈んでいるときに読むのはやめましょう。大して厚くないので読みやすいです。作品は娯楽的なドラマチックさを持ってはいますが、物語に秘めている問題は現代に抱えている問題を浮き彫りにして個人的には好きな物語でした。彼女が道を開けていたら、どんな生活をしていたのでしょうか。彼女を想う。

感想ネタバレ↓
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夜市 (角川ホラー文庫)夜市 (角川ホラー文庫)
(2008/05/24)
恒川 光太郎

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前書き
望んだわけではない。ほんの少しうらやましかったんだ。
少しだけみんなを見返すだけのボールを早く投げる肩とみんなが羨むホームランを打てる器用さが欲しいと思っただけなんだ。
誰だってあるはずだ。目の前に自分が欲しいと思っている物や才能が手に入るとわかれば、すぐさま手に取ってしまうものだろ。
俺だけじゃない。どんなやつだって俺と同じ状況にたてば、同じことをしているはずだ。
弟に少しだけ我慢してもらうだけでいいんだ。
野球が得意といえる自分を味わってみたい。そう、少しの間だけだ。
決して弟が嫌いというわけじゃない。ごめんよ、裏切ったと思わないでくれ。
必ず。必ず、迎えにいくから、それまでは我慢していてくれ。
必ず、次の「夜市」が開かれる日にまた迎えにいくから。
だから、俺を恨まないでくれ。必ず。。

ジャンル・タグ 
ローファンタジー・サスペンス・重量感(小)・現代風・現代に存在する異世界の入り口・才能を買う契約とその代償・死者の通り道

評価  
素敵 

ホラーではないですね。怖くないです。完全にファンタジー。なぜ、ホラーのくくりにされているのか少し謎です。季節は夏から秋頃。

現実世界→異世界の入り口を発見→異世界で過ごす→悪いことがおきる、不吉なことがおきる→解決、現実世界へ→懐古の念をいだく、なつかしく思う→完結へ。

というパターンがつねです。つねかわだけに。 
だからとって、ワンパターンで飽きるということは個人的には全くないです。話の流れはパターンが同じで先を推測するのは容易です。しかし、読みやすいので、「ファンタジーやサスペンスのジャンルさくさく読める小説なんかないの?」という時に、この小説はうってつけ。「異世界迷宮」といえば恒川さんの本を読むべし。そして、読んだ後に なぜか懐古の情を抱いてしまうのも、恒川さんの小説の特徴です。異世界、迷い込む、懐かしさを望むなら「夜市」をどうぞ。
「夜市」・「風の古道」の二本立て短編。


感想ネタバレ↓
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アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)
(2005/06/25)
森 絵都

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前書き
エリック・アルフレッド・レスリ・サティ「音楽界の異端児」と呼ばれた二十世紀前半の音楽家がいました。
ピアノの絹子先生と私はそのサティの曲の話でよく盛り上がります。「大音楽家の肖像と生涯」という本でサティの顔を初めて見たときは変わり者とは思えず、笑顔で大声でしゃべりかけてきそうなおじさんにしか見えなかったです。

先生はどんな理由かわからないですが、実際に「サティ」をフランスから連れてきました。
フランス人のそのおじさんはサティにとても似ていて、「サティおじさん」と呼ばれました。彼が来て以来、ピアノのレッスンの日が楽しくてしょうがなかったです。絹子先生とサティおじさんのつくりだす「ワルツ」は私も、友達の君絵も心躍る思いでした。

長く続けばいいと思っていました。
アーモンド入りのチョコレートがくるくる回るようにいつまでも。


ジャンル・タグ 
青春(学園)、ヒューマン、恋愛、重量感(小)、夏休みの友達の別荘、二人だけの音楽室、アットホームで騒がしいピアノレッスン、本「大音楽家の肖像と生涯」

評価  
良書

群ようこさん、梨木香歩さん、川上弘美さん、湯本香樹実さんの小説のようなほのぼのした小説が好きな人におすすめ。サクサク読めて、すぐ読み終えられます。読むときのストレスは少ないです。3編の短編集で、小中高学生が主役で登場する青春小説、あるいは学園小説です。恋愛要素は一つの物語だけ微量含んでいます。どこかやさしくて暖かめな内容となっています。きれいで軽快な青春小説の王道をゆく一冊。ビターチョコとはいかず、どこまでミルクチョコな小説。味わいは一つだけじゃ物足りない人は別なチョコを探しましょう。

感想ネタバレ↓
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