小説の感想・レビューです。ネタバレあり。物凄く更新遅いです。ご了承ください。訪問ありがとうございます。
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 新選組はいつの時代にもファンがいる。年をとっても脱落しない「慢性新選組病」がいて、それが僕です。今でも壬生寺の近藤勇の胸像の前で手をあわせたり、島原の輪違屋や角屋を訪ねたりしている。新選組にはまったのは、20歳ごろに子母澤寛の「新選組始末記」を読んでから。
 新選組が若い人たちを熱く魅了するのは、そこに敗者の美学や滅びの美学があるからでしょう。新選組は歴史的には、いてもいなくてもいい人たち。坂本龍馬のように歴史を動かしたわけではない。偉人でも英雄でもない。しかし、140年そこらで人間は変わらない。彼らにはわれわれを共鳴させ、勇気づける「草莽の志」がある。
・・・中略・・・

『一刀斎夢録』新選組3部作の完結

まず考えたのは類型に陥らないこと。新鮮味のない人物、ありふれた物語にはしない。では隊士のだれを取り上げるか。近藤勇や土方歳三はイメージが固まっていて、想像をたくましくしても独創性が出ない。その点で斎藤一はよくわからないから面白い。偏屈者で非情なテロリストだ。しかし、合理的で明晰な点もある。明治、大正と長生きして歴史の証言者になった。
この小説は、鳥羽伏見から戊辰の戦い、西南戦争や乃木の殉死を扱う。そこでは隠された歴史の謎の一端が明らかになる。なぜか。斎藤一はニヒリストで、日本中の人がだまされても。彼はだまされないから。歴史のウオッチャーとして一番ふさわしい人物だと思う。学者は歴史に「イフ」をいえないが、小説家はそれができるから楽しいですね。

   by 2011年3月9日 日経新聞 引用

浅田さんの歴史小説はとても「熱く、厚く」、読みごたえがあり、とても深いものがあります。浅田さんの新選組は壬生義士伝を知って、のめりこみました。新選組って、確かに記事にあるように歴史的に見れば、時代に取り残された保守的な組織の一部のように見えます。ですが、真田信繁(幸村)がいた大坂夏の陣の豊臣家のように、「最後まで食らいつく、一人になっても食らいつく」ことの美学を感じ、新選組という物語に同じものを見るんですよね。若い青年たちが、命をかけてても貫き通すという、ロマンが。また例によって、浅田さんの得な一人語りが物語の中で発揮されるんでしょう。

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