小説の感想・レビューです。ネタバレあり。物凄く更新遅いです。ご了承ください。訪問ありがとうございます。
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7月14日(木)、芥川賞の発表は19時頃に、直木賞の発表は19時半ほどに決定しました。
http://www.bunshun.co.jp/<文芸春秋サイト>

第145回芥川龍之介賞
【受賞】該当者なし

第145回 芥川龍之介賞候補作
石田 千「あめりかむら」(新潮2月号)
戌井昭人「ぴんぞろ」(群像6月号)
円城 塔「これはペンです」(新潮1月号)
水原 涼「甘露」(文學界6月号)
本谷有希子(もとや ゆきこ)「ぬるい毒」(新潮3月号)
山崎ナオコーラ(やまざき ナオコーラ)「ニキの屈辱」(文藝夏号)

選考委員:池澤夏樹、石原慎太郎、小川洋子、川上弘美、黒井千次、島田雅彦、高樹のぶ子、宮本輝、村上龍、山田詠美 /登壇者:山田詠美

選考過程:何度も討論してこういう結果になった。
一番点が低かったのが水原涼さんの『甘露』(6位)である。
どの選考員も点数上げず最初に落ちた。

その次に点数が低かったのが本谷有希子さんの『ぬるい毒』(5位)である。
点数の結果通りであり、議論の余地がないとし、候補から落ちた。

石田千さんの『あめりかむら』(4位)も点数が低かったので点数の結果通りとなり、候補から落ちた。

最後に残ったのが、

戌井昭人さんの『ぴんぞろ』、
円城塔さんの『これはペンです』、
山崎ナオコーラさんの『ニキの屈辱』

いろいろ興味深い意見もたくさん出たが、再投票のときに一番点が低かった山崎ナオコーラさん(3位)が落ち、
最終的に円城塔さんと戌井昭人さんということになった。

3回目の投票で票が分かれて、しかもすごく点が低く、過半数には全然達しなかったということで、受賞作なしという結果になった。

山田詠美「受賞者を出すということで決めていたので、一生懸命いいところを見つけようといろいろ話し合ったんですけど、そういうところにはいたらなくて、3回目の投票では過半数に達しないものは受賞作にならないということで、そこで終わりになりました」



第145回直木三十五賞
【受賞】『下町ロケット』池井戸潤


「下町ロケット」(小学館)/池井戸潤「下町ロケット」(小学館)/池井戸潤
(2010/11/24)
池井戸 潤

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第145回 直木三十五賞候補作
池井戸潤「下町ロケット」(小学館)
島本理生「アンダスタンド・メイビー」(中央公論新社)
高野和明「ジェノサイド」(角川書店)
辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ」(集英社)
葉室 麟「恋しぐれ」(文藝春秋)



<会見会場の池井戸さんの様子>

池井戸さんの声
素直にうれしい。企業小説でも文学として評価されるんだなと思った。少しでも私の小説で夢とか希望とか思い出してまた明日からがんばろうと思って頂けるならこんなうれしいことはない。

文学と思って書いていない。人を書こうと思っている。30人なら30人の人生が輪切りにされているが、そういうのを書いていく。自分の身近なことを小説描いた。暗い話はきらいで、子供のころから自分が読みたくない小説は書かない。読んで面白くてスカッとしてドキドキしてワクワクした小説を読みたかった。そういう小説しか書きたくなかった。下町ロケットもそのうちのひとつ。他の直木賞候補作品ではジェノサイドだけ読みました。とても面白い作品居酒屋でまっていた。私の原動力は面白い小説を書きたいということ。企業で働いたことない人にも食わず嫌いじゃなく読んでもほしい。


選考委員
浅田次郎・阿刀田高・伊集院静・北方謙三・桐野夏生・
林真理子・宮城谷昌光・宮部みゆき・渡辺淳一・登壇者/伊集院静

選考過程:高野さんも辻村さんも非常に評価は高かったが、最初に落ちた。選考の最初の段階で時間を要した。
葉室麟さんの作品が第三の候補として残ったが、論議が非常に活発だった。葉室さんの『恋しぐれ』が過半数が足りなくて落ちた。
割と特に高野さんははじめて俎上にあがったので、ほとんどの選考委員が才能と腕力と、時間をかけて制作なさっていることは非常に評価していました。

最終的に残ったのは、
受賞作の池井戸潤さんの『下町ロケット』と、
島本理生さんの『アンダスタンド・メイビー』
が決選投票になった。

決選投票の結果、池井戸さんは割と圧勝で、島本さんは僅差で敗れた。
投票は2回。2作に絞られて、2作から決選投票したということです。


選考委員の意見

受賞作の池井戸潤さんの『下町ロケット』について

宮部さんもたいへん支持なさっていましたし、林真理子さんは「直木賞の優等生」とおっしゃっていました、わたしはよくわからないですけど。それで、桐野さんは震災以前の昭和の作品だと、いう懸念はされていました。それでも面白さと読み切らせる力は十分かなうんじゃないかとおっしゃっていました。

「空飛ぶタイヤ」、「鉄の骨」、今回の「下町ロケット」と、まず一貫して姿勢を変えていない。まず読み物として非常におもしろい。読後感が非常に爽快であると、今こういう時代で、下町の工場とか救済されるべき人がテーマになったことも非常にいい。

桐野選考委員からは、「震災以前ではないかと」、いま内製で全部製作するのは、それは成立しないんじゃないかという意見がある。それに対抗して、そういう問題がおこるからこそよけい着目される見るべき点があるのではないか。いまからずっと工場が変わっていく。そういうことでもいいのではないかという意見もある。
一部では銀行のことを書きすぎるという意見もあった。

非常に今まで人物描写とか、人間が書けていないという意見が割と多かった阿刀田選考委員も、○をなさったので、まあ文句なし受賞ということになった。


島本理生さんの『アンダスタンド・メイビー』について

伊集院静「わたしもどうも、どうにか島本さんを推したかったので、けさの5時半まで『アンダスタンド・メイビー』を読んで自信をもってきたけど、相変わらず難しいね、人の気持ちを切り崩すのは。」

一部に彼女は群像の新人賞をとって、若すぎるのではないかということもあったんですが、彼女はデビューして12年。それもコンスタントに作品を書いているのでそういうことはない。今回はテーマも非常に良くて同性の中ではうまく受け入れられないのに、異性に関しては非常に理解できる女の子で、しかも安易に割と身体を許してしまうところ、それ故に悩みみたいのがいまの若い読者に受け入れられる、支持されるから支持して欲しいといのが桐野さんとわたしと、浅田さんと北方さんにありました。年寄りのっていうと怒られますけど、ベテランの選考委員と 残る女性2人が反対していました。
僕はなぜ反対するのかわかりませんでしたが、なぜ反対するのか。


辻村深月さんの「オーダーメイド殺人クラブ」について

島本さんの作品のテーマと似ている。宮部みゆき選考委員が非常に推されていた。この作品に関しては、最終的に自死願望と殺人を諦めていくときに、非常に安易というか、対局にあるきちんとした理由が小説として書けていない、という意見があった。ベテランの方からは、ちょっと頭で書いた作品であることや、中学生とか高校生などのリアリティに関してのテーマの作品が辻本さんの作品全体に多すぎるのではないかという意見があった。もう少し成熟した大人を書いて欲しいという意見にある。

吉川英治賞や山本周五郎賞を取った他の作品よりもこの作品が落ちるんじゃないかという評価はあった。


葉室麟さんの『恋しぐれ』について

伊集院静「葉室さんは、わたしは個人的に推したんですけど「孤独の二重丸」になっちゃった。ただ、評価をみな、三角なんですね。バツがなくて。マルがいないのはたぶん決め手がなかったんだろうと思いますね。ただわたしはそういう人の方が、逆にずっと時代小説で伸びていかれると思うんじゃないですけど。」

作品に蕪村の俳句があるが、俳句というのが物語の中の単なる情景描写とか、状況描写に使われている安易さがあるのではないかと意見があった。俳句自体というのは、蕪村の俳句自体はもっときちんと取り上げないと、それはこの小説の中で借り物のように取り上げるのは問題があるんじゃないかというのがあった。そこが大きかった。


高野和明さんの「ジェノサイド」について

やはりあれだけの作品で、全体としては圧倒するものはないが、作品自体は非常に皆さんよいと言う評価で、ただひとつは映画の原作みたいな、子どもがあと10日で死ぬとか7日で死ぬとか、タイムリミットをつくってやっていくやりかたが映画の脚本の原作みたいな、そういうものがハリウッドの映像的なものを物語が中心にしている、そういうことの疑問点は出た。


UPするのが遅くなりました。前回の直木賞・芥川賞が盛り上がった分、今回はなんとなく地味な印象でしたね。池井戸さんも言ってた通り、企業がテーマになる小説でも賞を取れたのはびっくりしました。選考委員のなにか心の心境でしょうか。池井戸さんはとても場慣れしていてプレゼン上手な印象がありましたね。さすが元銀行マンです。
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