小説の感想・レビューです。ネタバレあり。物凄く更新遅いです。ご了承ください。訪問ありがとうございます。
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前書き

<第5章 ロタ王国>
長い冬に閉ざされた北部の地、暖かい気候に恵まれた南部の地。

家畜であるシク牛、羊を狼の被害にやられ頬を涙で凍らす民、
穀物が豊かに実り、海に面した他国貿易も盛んに腹を大きく膨らませた民。

疲弊していく感染病に流行した北部民族、王国で発言権を増していく南部大領主。

この国を支えるのが物静かな思慮深い、情けに厚い君主、北部の民に絶対的な信頼を置かれたその弟である。
不均等な情勢にかじ取りを行ってきたこの国に、かつての、脅威的な、圧倒的な力が火種を振りまこうとしていた。王族の歴史とは、その巨大な力、<神>を語らずには描けない歴史であった。

その時分、用心棒の女は、ある民族の少年少女が賊に捕らわれているのを助けたのだが…



ジャンル・タグ 
ファンタジー・重量感(中)・中華モンゴルな王族王国・貧富の差と国政・禁忌の制約と疎外された民・絶対的な力をもつことの欲求

評価
素敵
    





守り人シリーズ第5作目。今回は上下巻で物語が長めです。しかし、ストーリは前作同様サクサク読めると思います。内容は第1作目、第4作目の作品を混ぜ合わせたような逃走劇と、話のカギを握る少女の存在がメインです。テーマは不安定な危険な情勢で歴史の過ちとされた脅威的な力を得ることは正解なのかいなか。ストーリー展開は、前作読んできていれば、先の展開が読めてしまう(単体で読んでも先の展開はある程度想像できます)。上橋さんの本を読んできている人は新しいゾクゾク感、ワクワク感は不足気味ではないでしょうか。どちらかというと、上橋ワールドを楽しみたい人や、守り人の世界観に浸りたい場合はもってこいの作品です。初読みの人は、上橋さんのスタンダードで安定した世界観、ストーリー展開に惚れることでしょう。物語は引き継ぎですが、一話完結だから「神の守り人」からも読み解けます。ファンタジー好きなら必見です。季節は冬です。

感想ネタバレ↓
守り人シリーズも後半戦に差し掛かってきましたね。私の更新頻度だと来年あたりにはシリーズ読み終えるのはないでしょうか。遅くて残念なばかりです。

さて、今回の物語は、バルサ兼、タンダが主人公です。時期的には、虚空の守り人の、チャグムがサンガル王国に出かけている間に起きた、バルサたちのストーリーです。内容は、人身売買組織「青い手」にロタ人の子どもが、つかまっている所をバルサがたまたま見つけて、救出して物語が動き出します。その救い出したロタ人(正確には、ロタ人ではなく、ロタ王国内にいるタルの民)の子どもは、先日、起きた大きな大虐殺事件に大きく関わっていることがわかってきます。ロタ王国にタンダの知り合いの呪術師スファルは、そのロタの子どもは、ロタ王国に災いの引き起こす元凶として、その子どもを亡きものとしようとするのです。バルサは、その元凶とされる子を生きたまま救うことを決めます。

守り人シリーズでは恒例の別世界ナユグの現実世界に引き起こす強大な力が、現実世界の人間に取りついてしまうパターンのやつです。ここまで、守り人シリーズは、「取りつかれるのは大抵子ども」「ナユグの普通は、現実では、絶対的な脅威的な力あるいは影響力を兼ね備えている」「人外が存在している」「舞台になる国の中核なすキャラが悪役になる」「バルサメインの逃走劇」が共通しているネタでしょう。

シリーズで一話完結型の物語なので否めないのですが展開が画一的で正直のところ読んでいて展開パターンに飽きてしまいました。「何が起きるんだろう」のときめきはないです。なんせ、展開がどの作品も同じ流れであるので。この物語自体は、ストーリー、キャラクターも、設定もしっかりしていて完成度が高い作品です。ただ、シリーズ通してみると、1話や2話、4話となんら変わるところがないような気がします。登場人物と国が変わっているだけで、「水戸黄門」形式の流れです。個人的にはマンネリは避けられなかったです。きっと、この後読むであろう「蒼路の旅人」なども同じ流れなのでしょう。

この物語は、王国内で対立構図があり、王国の二番手、国王の弟・北部の貧しい民族VS財力が充実した南部の大領主 があり、その間に病気がちの国王がいます。国王が倒れるか、国王の弟が先手を打つか、禁断のタル民の力復活がおきるかで、王国が大きく変わる現状でした。だが、どうでしょう。なぜか、最後の場面で、北部、南部が王国の祭りの日に一同集まり、ロタの子がナユグの力から開放されて、禁断の過ち復活が阻止され物語終わりでした。国の現状は特に言及されないまま。この対立構図が何も変わらないまま、あっさり終わってしまい、何のために、対立構図を出したのか疑問です。ひと悶着あるのかと思えば、特にありませんでした。


結論、守り人シリーズは、どれか一つ読めば、他の作品はあえて読まなくてもいいような気がします。伏線のタルシュ帝国の存在だけが、私の今後のシリーズの楽しみです。


素敵な言葉どもが記事の跡
前途に困難があるからと、行く道を変える気はありません。行く道の先に苦難があるのなら、それを変えてみせます。

絶望するしかない窮地に追いこまれても、目の前が暗くなって、魂が身体を離れるその瞬間まで、あきらめるな。
力を尽くしても報われないことはあるが、あきらめてしまえば、絶対助からないのだから。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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