小説の感想・レビューです。ネタバレあり。物凄く更新遅いです。ご了承ください。訪問ありがとうございます。
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天使の囀り (角川ホラー文庫)天使の囀り (角川ホラー文庫)
(2000/12)
貴志 祐介

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前書き
作家の高梨光宏は今ブラジル領のアマゾンの森に来ている。

アマゾンを取材し紀行文を書くためにアマゾンに来ている。

アマゾンの森は彼が言うには生の森と死の森の2重写しだという。生命に溢れたこの場所は生命を維持するために、また別の生命が犠牲のうえに成り立っている。その意味では、ここに参加しているアマゾン探索隊もその例外ではない。

今は捕食する立場だが、その逆にならないとは言い切れない。

そしてそれが目に見える形で起きるとも言い切れない。



ジャンル・タグ 
ホラーでありスリラー・現代・重量感(中)・アマゾン・猿・生物・恋愛ゲーム・恐怖症・ギリシャ神話

ホラーでもサスペンスでもあります。怖さを感じるかは個人差はあると思うのであしからず。グロ、性的表現が含まれています。

評価  
最高  

感想ネタバレ↓
この著作はどんな点がよいと考えてみると、情報量が多くて理詰めされるとこがよいです。

ただ単に神懸り的な、非合理的な理由付けでもって説明されるのではなく、狂気がどういう目的で何が原因でやってきたのかが説明されています。

簡単にいえば説得力があるので好きでした。なので物語の現代風刺にリアリティがあります。それは物理的風景も、心理的感情の変化も細やかで、キャラクターそれぞれが画一的でなく、考え方や観念が明確に違いを出しているところがいいと思いました。私の中ではこの作品は合理的で矛盾がなかったことが良い印象を受けました。

しかも、恐怖の正体に毒された人の考え方の変化をみたり、周りで亡くなっていく人々が生前みな一様に心理的に元気になっていることをみて、主人公早苗は最後には、自身の考え方の変化あるいは、一種のマインドコントロールをうけている節があります。

精神科の医者で、人を助けたいと思っている主人公の早苗としては完全に恐怖の正体の狂気にさらされ、病床で命が永くない少年の気持ちを考えると倫理的にダメだとわかっていても最後に死に対する恐怖を感じないように恐怖の正体と接触させ少年を元気にしています。そうすることによって死に際に少年は幸福になったのかと思うと切ないです。(幸福になったかはわかりませんがw)

だからこそ、最後の展開なんでしょう。

初見で読んだときはラストがどういうことだったのかちゃんと理解しておらず物足りない感じで、若干呆気なかったです。ラストは考えてみれば主人公早苗の心変わり、ある面での受け入れがあったことを意味してたことに気付いて、そこを考慮して最初にこの病床の少年を配役にいれたのだなと思いました。

ホラーは恐怖の正体がわかった段階で怖くなくなることがあります。しかし、この物語は常時終盤まで形を変えて怖さは続いています。中盤になって怖さの正体がわかっても、知ったからこその怖さが垣間見られ、恐怖の正体がなそうとする、意志がみえてくると最初のとは別な意味での怖さが沸き上がってきました。

素敵な言葉どもが記事の跡

「天使の囀り」は章ごとに分けられている。1~18章まである。ほかにも好きな言葉というか場面は多いが、一番謎が多い場面ほど、あるいは恐怖がなにかつかめないときほどそわそわしてぞっとする場面はない。視的の効果詩的な語りがなかなか雰囲気があって良かった。特に、ページ途中ではなく、ページをめくってからこの民話が始まるの演出が良かった。(ページ数は5ページぐらい)


カミナワ族の民話採集番号⑨憑依 
...
人がいた。大勢の人がいた。焚き火をしていた。
焚き火のまわりで、大勢の人がいた。食べたり、飲んだり、歌ったり、踊ったりしていた。アアアア。
焚き火のまわりで、大勢の人が、祭りをしていたのだ。
食べたり、飲んだり、歌ったり、踊ったりしている。
...
...
兄は、夜中に目を光らせて、むっくりと起き上がると、外へ出かけていった。
シューッ、シューッ、シューッ。
兄は、夜中に起き上がって、外へ出ていったのだ。
目を光らせて出ていった。弟は、後をつけた。
...
...
...






最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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