小説の感想・レビューです。ネタバレあり。物凄く更新遅いです。ご了承ください。訪問ありがとうございます。
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獣の奏者〈1〉闘蛇編 (講談社文庫)獣の奏者〈1〉闘蛇編 (講談社文庫)
(2009/08/12)
上橋 菜穂子

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獣の奏者〈2〉王獣編 (講談社文庫)獣の奏者〈2〉王獣編 (講談社文庫)
(2009/08/12)
上橋 菜穂子

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前書き
エリンは闘蛇衆の一人のソヨンの娘だ。

闘蛇衆のあやつる闘蛇とは馬よりも大きく、蛇の様相を呈し、人、馬を簡単に噛み殺すことのできる獰猛な獣だ。闘蛇を扱い真王を守る衆の長である母の姿はかっこよく見えた。

エリンの住む国は人々に崇められる真王の領土と真王領の国防をする大公領で成り立っている。大蛇の様相を呈している闘蛇は争いの道具となった。国を守る兵器となり得た。しかし、血でも穢れても崇高な真王を守ることが出来る立場にいるのだ。それが大公の大義名分。長い年月、人々の間にはその共通認識が維持されてきたが、ある事件をきっかけにその共通認識に疑問と矛盾が沸騰した湯のように沸き上がる。

真王の意味が具現化される時、その共通理解とは裏腹な構図が見えてくる。
少女エリンはその構図の中にどのように組み込まれていくのだろう。


ジャンル・タグ 
ファンタジー・異世界・重量感(中)・中世・闘蛇・国・政治・天獣・真実

児童書です。実際、私は、児童書、ライトノベルだから、子ども向けとか大人向けじゃないとか関係ないと思います。小説の価値は内容が面白いか、共感できたかじゃないですか。児童書で面白いものもあり、児童書という部類に入らない一般的なジャンルでつまらないものもあります。いいものはいいのです。


〈3〉探求編〈4〉完結編を早く文庫化してー!! 文庫で買って読みたいよー!

評価  
最高  

感想ネタバレ↓
上橋さんの小説ははじめて読みましたが、小野不由美さんのファンタジーの匂いと類似した感覚をもちました。小野さんのファンタジーが好きな私にはかなり個人的に好きな小説です。

まだ、3、4を読んでいないので途中経過ですが、1、2を比べると1の後半と2の前半に一番私の中で盛り上がる分がきました。この世界には闘蛇の他に、天獣という生き物が存在します。人間が素であがらえない獰猛な闘蛇を天獣は簡単に操り、自分の食料に変えるとても強い獣です。天獣は人に慣れる動物ではないのです。しかし、エリンはその献身的な天獣の世話、観察を怠らず、今まで考えられてきた天獣の習性に疑を投げかけます。そしてエリンが新しい事実を発見した時、「あ、なにかと似ている」と感じたのです。

これは、科学者、技術者が、新しい化合物、システムを創りたいと試行錯誤してそれでも、全然作る事ができない。しかし、地味な、こまかい積み重ねによって、一つの違和感、発見を見出す時の思考ではないかと。偉大なる発見は天才的な数学的な論理で成り立ってるのではなく、継続的な忍耐力と同じことを繰り返す根気が物を云うことを。

エリンが地味に天獣を観察する過程をみるたび、うん、似ていると感じました。そしてそんなエリンの生活など知る由もない客観的な目は、エリンの「霧の民」の血の魔性からくるものだと思います。あたかも、ノーベル賞をとった人が、天才的な論理、推察力だけで得たものだと思うかのように。

ただ、著者さんがエリンのことを好きなのか、どうも、エリンの考え、行動だけが正しいような進め方になってるのが少し残念でした。

素敵な言葉どもが記事の跡
いわゆる、教師に問われる事柄なのでしょう。上橋さんの実経験って感じですね。

「教える」ということに、恐ろしさも感じた。

学んでいる間は、ただ考え、問い続けばよかった。自分の考えが正しいかどうかは、あとで実証できればよし、正しくなければ修正すればよい。けれど、子どもたちに教えるときは、「これが正しい知識ですよ、安心して覚えなさい」と、自信を持って言わなくてはならない。子どもたちを教えながら、心の中で、自分が今教えていることは、ほんとうに真実であると断定できるだろうかと、絶えず、考えずにはいられなかった。

「教えていく知識は常にその時代での真実にすぎないわ」

「真実であると考えられていたことが、後世の人の発見によって、誤りであるとわかる。そうやって人の知識は更新されてきた。よい教導師は、迷いのない教導師ではない。迷いを心に持ちながらも、常に学んでいく姿勢を子どもたちに伝えられる教導師こそ、よい教導師なのだと思うわ」






最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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