小説の感想・レビューです。ネタバレあり。物凄く更新遅いです。ご了承ください。訪問ありがとうございます。
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象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)
(2004/09/08)
飛 浩隆

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前書き
いつも読んでいる本にあきたら、言葉に贅を尽くした「初篇デュオと残りの3篇のSF短編集」を読むといい。いつもの小説とは視点が違う世界に出会うかもしれない。

ジャンル・タグ 

「デュオ」
サスペンス・現代・重量感(中)・ピア二スト・いざなう二重奏・死臭

「呪界のほとり」
SF・惑星・重量感(小)・語り合い・博識な老人・お茶目な竜

「夜と泥の」
SF・惑星・重量感(大)・有機な機械・99%の精密さ・1%の思い

「象られた力」
SF・惑星・重量感(大)・図形の意味・魅力的な文化・発動条件

一気読みはオススメできません。一気に読むと、気疲れするかもしれませんので。特にSF3タイトルは。1タイトルずつ間をとってこなすのが個人的にはベストでした。※官能的な表現が含まれています(象られた力)。

評価
  
デュオ     最高 ★★★★★
呪界のほとり 素敵 ★★★★
夜と泥の    普通 ★★
象られた力  良書 ★★★


感想ネタバレ↓

デュオ
この物語は予想外でした。大げさに言うと、裏切られっぱなしだったです。物語は長いわけではないが筋道、ストーリーが先読みできたと思ったら、その後にひっくり返されることになります。それが個人的にはよかったです。

また言葉が表現豊かで、実際の音楽の世界でこのような表現の仕方をするかは疑問だが、単純に面白かったです。

デュオは若干ホラーチックなので苦手なひとは注意。

ネタバレ考察
読み終わった結果、「名なし」がどうなったかがめっちゃ気になります。最後が含みをもった表現になっています。

つまり、「名なし」は先生に生きているのかもしれないし、ジャグリーンに、あるいは単純に死んだのかもしれない。
しかしどれもなんとも言えない。私が思うには、先生の手記に愉しいとか、イクオと手記と表現を同じにしているから、先生で生きてる可能性があると推測しました。

第一、家に訪ねて来ることがわかっているし、ジャグリーンがタイミングよく出払っていて射殺した後に、ジャグリーンが部屋に入ってくるあたりタイミングよすぎ。なので、ジャグリーン経由で先生に。という感じではないかという推測です。
イクオに寄生後、20年も経っているし、ジャグリーンにテレパスする状況はいくらであったのではと。


呪界のほとり
タイトルからしてまたサスペンスかよ、と思ったら全然違いました。
記憶喪失でお人好しな男がいて、隣にかわいい竜がいて、痛快でかっこいいじぃさんがいただけでしたw

1回読んだだけじゃ、本当の味はわからないと思います。2回ぐらい読んでストーリーが、映像で浮かぶようになると、なるほど、スルメのように面白さがしみ出してくるかも。

特にじぃさんとの会話、ディスカッションがいいです。呪界の民と、外の民の感じてることの温度差、相対関係が話のやりとりで出てくるとこが良いです。

現実世界にはない呪界の概念を登場させる。そして互いの文化の違いから呪界にたいする思想に差が生じる。それにより呪界論を話すとき、温度差で討論になるのが面白いなぁと。小説特有の会話としてリアリティのない話の掛け合いでもない気が自分はします。

ただ読みやすくはないです、表現が独特で。

これは話の続きがあってほしいです。


夜と泥の
このへんから一気によんでいくとつかれ始めました、私は。なんといっても造語が多すぎて意味不明でした。この次の「象られた力」も然りなんですが。勝手なこというと、造語数のバランスを考えてほしかったなと。

意味がわからない感じが未来っぽいですね。

正直、話の山場を最初に持ってきてあったのはつらかったです。いろんな知らない言葉が飛び交って、ん?ん?
この物語は単に起承転結のほうが疲れなくてすんだのでは。個人的な意見です、すいません。

とはいえ、デュオからそう思っていたことですが、発想が独創的で、いままで読んできた本にない思い、概念は新鮮で引きつけられるものがありました。

特に、この物語で機械が一種の「バグ」(バグ的なもの)を発生させ、「バグ」から奇妙な現象を発生するという展開が、「あ、なるほどな」と。パソコンやゲーム機を使っていると起きるような「バグ」のようなものですね。普段は正常に命令実行を行うが、ある一定条件が満たすと、そこだけ正常に働かなくなり、「バグ」を発生させる。
「そう来たか」でした。

実際まだ、わからない分が多くあるですが、日をおいて読み直してみたいと思います。


象られた力
造語が多くてしんどいです。
特に、図形の謎がとけたときの、クライマックスの固有名詞と形容詞の多さが重いです。

しかし、物語は巧妙に作り上げられているのは、読んでいてすごく実感します。この発想がなかなかできないのではと。

一回だけ読むだけでは中身を深く掘り下げることは難しいかもしれないです。「夜と泥の」と同様に何回か読み直す必要があります。発想はとてもすてきだと思います。読みやすさはないです。


素敵な言葉どもが記事の跡
「呪界のほとり」 老人と、主人公の会話

「わしは呪界のことをあれこれ考えるんだ。あんたがどう言おうが、わしらからみれば呪界は活気に富み、猥雑で破廉恥で、けばけばしく、目まぐるしくうつりかわり、理屈にあわず、複雑怪奇で、やかましい。そう、やかましい」

「…やかましい」

「呪界ではひっきりなしにあれこれいってくる。こっちの宇宙を見てみい。こっちの宇宙は素っ気ない。冷淡だし、無関心じゃ。こっちの宇宙は人間に適応を迫る。人間が宇宙に歩みよらにゃならん。呪界どうじゃ?」

「逆だな」

万丈はパワーズの演説に引き込まれかけている自分を感じた。

「宇宙がこういうておる。私をみてくれ、私を感じてくれ、とな。」






最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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