小説の感想・レビューです。ネタバレあり。物凄く更新遅いです。ご了承ください。訪問ありがとうございます。
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重力ピエロ (新潮文庫)重力ピエロ (新潮文庫)
(2006/06)
伊坂 幸太郎

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前書き
兄は泉水、二つの下の弟は春、優しい父、美しい母。

家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えてそれぞれの思いを胸に兄弟が大人になった。

そんなとき、事件は起きる。

連続放火と、壁に記されてた謎の落書き。
その記された文字に意味とは?

ジャンル・タグ 
推理ミステリ・現代・重量感(中)・放火犯・落書き・遺伝子・歴史の偉人

男女というような性に違いのみられる生物である限り、性の条理から逃れられないかもしれないですね。そこには、情欲、感情、倫理などのいつになってもなくならない事象があります。

本書は「考える、考えさせる」小説です。良い本です。
常に考える事柄ではなくて、頭の片隅にいれておくべき事柄です。他人を推し測るということはとても難しいなと感じます。※性的な表現が含まれています。

テーマとしては良書ですが、しかし、物語としては個人的にはあまり好きにはなれません。


評価 
良書


感想ネタバレ↓
春には振り払っても消えない宿命があり、それを呪いながら、それでも生き続けます。

自分の存在の否定。
自分の主張の正当性。

相容れない関係の矛盾に苦しんだのでしょうか。

父は寛容の器の大きい男性、母は強く優しい女性、兄は恭順な良き理解者です。
そんな暖かい家庭に育っただけに、彼の純粋な正義は、盲目的であり、独裁的でした。

春の決断はやっぱり正しかったんだと思います。
しかし、正義と言う名の罪を振りかざしたようにも思えます。

そして私には結末で春は、行ったすべての事にやっぱり正しかったことを受け入れたようにみえました。
私はそこになにか腑に落ちないものを感じたのです。

読んだ後味に、私は大量の甘味の中、ほんのわずかな苦味を感じたのです。





ここからの感想は批判であることを先にお伝えしておきます。モンクしか言ってないので、不快に思う、思われる方はご退席ください。

とりあえず、突っ込みどころが多すぎです。決めつけと、能書き(素人の分際で言います)が多くてうんざりします。

・春、息子、黒澤=正義、人間として良い人
・他の登場人物=人の気持ちがわからないkYなやつ
読んでみた感じ、善悪の二極化な登場人物の構図になっています。

性犯罪があった母に対して、息子の主人公から見て、叔父が「命があっただけでも、よかった」というセリフと、その主人公の見解。

被害者の立場で、犯人が許せないとなる所を、あえて叔父が母が殺されたことではなく、ころされず、強姦だけで済んでよかった発言をさせます。普通に交流のある叔父という立場の親族だったら、「よかった」じゃなくて、被害にあったこと、加害者に対しての恨み、憎しみにまず目を向けると思うですが。

叔父が教師だからとか、本にうんぬんじゃなくて、普段は会う機会が少ないような、「叔父」という名がついているだけの赤の他人だからじゃないんでしょうか。
(「だけ」なんて思わない。)

目次「ピカソ」の文章にある春の絵の展覧会の女性審査員の言葉も、違和感があって、あたかも姑が息子の嫁が憎くてしょうがないので発するようなセリフを、主人公の母親にとって赤の他人の女性審査員が言います。社会常識をなくても普通は言わないセリフですね。言うにしても、日本人の性分だったら、むしろ公共の場ではなく、かげでこそこそ陰険にいやみを言う感じの方がリアリティがあるなと。

にしても、この女性はどんだけ主人公の母親に憎しみをもってるんだよ、赤の他人なのにw
と思いたいくなる展開。

本文より
「遺伝子が生き残るために人は操られている。男が女性にもてたいのも、セックスしたいのも、最も言ってしまえば性的行為と快楽がセットになっているのも全部、遺伝子の都合だろうな。セックスが不快だったら子供は減る一方だ。うまくできてるんだ」生物の本能はうまく設計されている、と私は常々感嘆していた。


まず、主人公がいうセリフだと思うが、文章を言いきらないでほしい。経験上、私が知っている理系の科学に関わる人たち等は、たいてい、断言、断定を避けます。つまり、そこには正当性があったとしても、正しくないからです。一番もっともらしいだけです。たとえ、その法則が成り立っていても、パラダイムが覆すことなど、いくらでもあるので。

「今のところ一番確からしい」だけです。
今までの、発展した科学分野もそういう軌跡をたどっている例があります。といっても、本文では遺伝至上主義の完全同意の否定がクライマックスでなされるので、かませ犬だなと私は思いました。


・タイトルは重力ピエロ、この小説のどのへんが「重力ピエロ」なのだろうと思ってしまいます。
タイトルはいいキャッチコピーが「ああ、なるほど」とはまったくならない。重力、ピエロのくだりがとても影が薄いです。
・主人公の発見がメンデルの発見と同等の質でないのにもかかわらず、発見を受け入れられなかったメンデルの気持ちがよくわかるといううぬぼれに腹が立たちます。
・他には文学男性女性がやたら多くて嫌です。 はい、ただのわがままです。
とにかくダメだったです、私には。
※読み苦しいところを読んでいただき、ありがとうございます。

素敵な言葉どもが記事の跡

「小説を読むのは、でたらめを楽しむためじゃないか」
私は反論した。
「細かい誤りを取り上げて、つべこべ言うのは実は小説が嫌いな人だ」

私は反論した。
「私が小説を読むのは、ドラマチックな展開と、共感を受ける文章を楽しむためじゃないか」
「細かい誤りを取り上げて、つべこべ言うのは小説の話題で人と会話したいからだ」



「どんな悪事も細分化されて、罪が分散するんだ」
それは確かに、と思います。




最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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