小説の感想・レビューです。ネタバレあり。物凄く更新遅いです。ご了承ください。訪問ありがとうございます。
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11文字の殺人 (光文社文庫)11文字の殺人 (光文社文庫)
(1990/12)
東野 圭吾

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前書き
私達以外に誰かがあの事件を知っている。。。

背筋がぞっとした。
最近、私の身の回りでに鋭い視線を感じるのだ。
気のせいではないはずだ。
あの事件で私達が犯した罪に対して怒りを抱いている誰かがいる。

くそ。私の意見を通すべきだったんだ。強引にでも。
毎回毎回、手紙が届く。たった11文字だけ書かれている。
私達を復讐しようとしているんだと知った。

誰だ?

ジャンル・タグ 
推理ミステリ・バブル期・重量感(中)・例のクルージングツアー・無人島での出来事・全員が変人

評価  
いまいち 

テレビで放送されるサスペンスドラマのようなストーリー。この小説の出版年数もあり、ワープロがメジャー、携帯がないという状況です。時代錯誤があるのが嫌いな方は注意。

感想ネタバレ↓
これはダメです。特に真相が語られた後、なにそれってガッカリさせられました。事件に対してどいつもこいつも変な理屈を主張し始めるし、主人公も結末もそんだけ追い詰めといて、悟りを開いたようにあきらめるし。何ですか、人は使われる前に使えってことを言いたんですか?

文章はさすが、東野さんのスムーズなサクサク読める感じ。ストーリー展開は情報を収集して一つ一つ事実をつなぎわせて、犯人は誰かを、淡々とこなしていきます。ストーリーの進め方は「ザ・ミステリ」っていう王道な感じですね。

ただ、内容は個人的にはダメでした。ここで簡単に内容をご紹介。
主人公の「あたし」は会社の同僚で親友の冬子に、とある男性を紹介されます。それは、出版関係で知り合ったという川津雅之という男性。何回会ううちに付き合い始め、2ヶ月目、「あたし」の彼は死体で発見されます。なぜ死んだのかわからないまま、葬儀が行われ、そのとき、川津と仕事で一緒だったという新里美由紀という人物に出会います。彼の遺品を整理していた所に、新里は川津の遺品に重要な仕事の資料がたくさんあるので譲ってほしいといってきます。しかし、渡そうとする時に限って川津の資料がなくなっている事に気付くのです。そもそも新里には不審な行動、言動があったので、なにか彼女が川津の秘密を隠そうとしているのではないかと思い始めます。そして、川津が死んでしまった真相に徐々にせまっていくことになります。

読んではじめに感じることは、主人公含め、淡白、薄情な人が多いなぁと思いました。好きな人が亡くなったのに、2ヶ月とはいえ過去も仕事もほとんどプライベートな事を知らない彼氏・川津であっても、亡くなった事に対しては「あたし」はまったく念頭にない感じがあり、あっさり死を受け入れています。それとは別に、川津の死に対して周辺で事が起こってきた事が不可解なのでそれがなんなのか突き止めるという彼女の姿勢があります。主人公には前夫がいたらしく、そこのことで深い部分まで干渉しないようにしていたともいえますが、あんまりです。「だったら、付き合うなよ」って、思いました。

川津が死ぬ前に、冬子が「あたし」に対して意味分からないことをいいます。
「あたしが紹介したんだから仲良くなったのは嬉しいけどあまりのめりこまないでね今ぐらいつきあの付き合いをキープしておくのが正解」

冬子は川津のことを仕事の付き合いでしか知らないでしょ?なんで正解なんってわかるんだよと思いました。といっても全部よんだら、そういう風に発言した意図がわかり、なるほどなぁと納得はできました。が、初見でこの文章を見ると、私が主人公の立場なら「えっなんで?」と冬子に聞き返したくなります。

川津の死の真相に対して一生懸命になっていたのは、好きだったというより推理ゲームを楽しみたかったように見えます。見えるだけですが。ずっと読んでいると、あたかも推理アリバイという言葉に目がない「あたし」と冬子が、TVゲームで推理もののソフトを2人でやっているような、現実味が欠いた浮いた印象をうけました。真実を知りたいというより、真相を突き止める過程を楽しんでいるという文章ですね。

もう一つ気付いた事は、なぜか、主人公「あたし」は自分より目上の人には敬語を使い、目下、目下にみえる人に対しては他人でも、初対面でもため口です。馴れ馴れし(ry




・冬子の山森社長の娘・目が見えない由美に対しての言葉
「ハンデがある分、山森さんにとっては余計に可愛いんでしょうね」
はっ?イラっ#

モノローグ3
私が彼らを許せないのは、単に私の大事なものを奪ったからだけではない。彼らの行為が手前勝手な価値観によって成り立っているものでありしたがって彼らが何ひとつ恥じていない点に憤りを覚えるのだ。彼らは自分達の行為を当然だと思っている。人間ならば当然だと。


なるほど、自分は正しい価値観なんだと思っているんですか。人を殺しているのに。この時点で二人も。お笑い種ですね。
殺された人のまわりにも殺した人を想うひとはいますよね。そのひとからみれば、同じじゃないですか。

・事件が起きて無人島に着いたとき、海でおぼれている人がいて、それを助けようとしたいとがいました。海は波が高く、荒れていました。泳ぎが得意な人がいました。

文章の描写だけではわかりませんが、荒れ狂う海を岸から沖まで泳いで、人を担いで戻ってこれるとは思えないです。沖に出るのは簡単でも、人を担いで戻ろうとしたら、海岸の地盤、陸風、海風によって潮の流れが変わるから至難の業だと思います。波がなくて潮を流れがないプールで泳ぎが得意だっていっても、井戸の中の蛙ではないんでしょうか。台風時のときに海に飛び込めますかっていうことと同じたぐいですよね?その勇気がなくて助けに行けなくても全然せめる筋合いないと思うなと思うんですけど。逆にいえば、そんな命を落とすリスクを背負って助けたのに、助けに行かなかった奴らに助けにいった奴を責める資格もないってことですよねって、個人的には思うですが。

・主人公「あたし」は原因、真実の「断定」がはやいと思うですよって、推測でそこまで飛躍して結論は出せないところでも、そう断定するです。最終的に当たってるですけど。なんでもかんでも、「きっと、そうだ」が事実だと思う節が嫌です。

まだ少しありますが、やめときます。最後に「11文字」って、一番最初のプロローグ書いてあった文章のことだったんですね。正直、気付かなかったです。11文字って、どういう文章なんだろうとか。単語だけなのかとか。中盤にいっても「11文字」にはふれていないと思ったから、「11文字」がどう絡んでくるんだろうと思いました。そしたら、後半の始めの方で、一回触れただけでしたね。なんか、11文字が内容に絡んでくるインパクトが弱かったなぁ。
※読み苦しいところを読んでいただき、ありがとうございます。

素敵な言葉どもが記事の跡
「あたし」、つまり推理大好き妄想女の言葉。
物書きであるなら、たとえ被害者が自分であろうとも、こういう絶好のチャンスを逃したりしない。第一、わざわざ取材に出かけなくても、生の声ー自分の声ーを文字にできる。

現実の事件は白黒をはっきりさせられない部分が多い。正と悪の境界が曖昧なんだ。だから、問題提起にはなるけれど、しっくりとした結論は期待できない。常になにか大きなものの一部なわけだよ。その点小説は完成している。そのものがひとつの構造物だ。そして推理小説というのは、その一番工夫を凝らしやすい分野なのじゃないかな。
妄想女の元恋人の言葉。この小説が工夫を凝らした結果ですね




最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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この記事へのコメント
確かにこれは★1つがいいところですね。
東野さんもやっつけで小説書くんだなぁと思ってしまいました。
いちばん不自然なのは、冬子は恋人の復讐として殺人までするくらい愛していたのに、その恋人が他の女性を抱くのをあっさり許していたこと。殺されかけた「あたし」がこれまたあっさりクルージングに同行したこと。あげれば切りがありませんが東野さんにしては駄作でした。
2012/08/10(金) 19:25 | URL | 通りすがり #-[ 編集]
こんにちわ
通りすがりさん、コメントありがとうございます。
ひさしぶりコメントもらえてうれしいです。
東野さんの作品は結構好きなんですが、この作品は好きになれませんでした。東野さん好きな母親が読み終わったのをたまたま借りて読んだんですが、「なんだこれ」と読みながらイライラした作品でした。
2012/08/16(木) 17:48 | URL | リリ #-[ 編集]
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